今回本を出版させて頂く事になり、私はどなたにお写真をお願いするのか、ということについて、とにかくとても真剣でした。
たった3年間でしたが、イッセイミヤケで広報の仕事をしていた私は、いままで数々のDM撮影やポスター、カタログなどの撮影に立ち会い、その度に沢山の写真家の方とお仕事をして来ました。
その時に学んだ事は、写真家の力量によって世界観はほぼ決まる、という事です。
同じカメラ、同じ状況設定でも撮る方が違うと、写真は全然違った物になります。
機械を通しているようで「その人」が表出する。陶芸と同じで、写真はその人そのものなのです。
そして私が、数々の媒体にて撮影して頂くようになって、写真家の方と撮られる私、の相性という物がある事も解りました。私の場合は「私」と「私の品」を撮って頂くので、撮られた時にいかに安心していられたか、私の品を美しく切り取って下さったか、は撮影時に見えて来ます。でも安心していられても、出来上がりの写真がいつもの自分と違って見える事もあります。
これは私の主観なので、写真の良い悪い、という事が言いたいのではありません。
しかし私が今までで一番、撮って頂いている間いつもの自分でいられて、品も美しく、そして上がりがいつもの自分であり品だった、いやそれ以上だった、のが桑島秀樹さんに撮って頂いた時でした。
私が桑島さんに撮って頂いたインタビュー記事はルーシーリー展のときです。→
こちら。
この時のインタビューでは、メイクさんは付いていません。雑誌の撮影時などは、仕事風景の撮影以外は、ほとんどメイクさんを付けて頂きます。本の撮影では、いつもの自分が出したかったので、メイクさんは入れない予定でした。自分のいつもの状態を撮って頂くのって、実は結構勇気がいる事なんです。私にとって桑島さんは、それを安心して任せられて、物をお撮り頂くにしてもレイアウトなどがお任せ出来る、という希有な方でした。といいつつ、本の中身には、私は数枚しかいないのですが(笑)
しかし大阪在住の桑島さん、しかもご本人の事を知れば、なんとアート界において既に著名な方である事が解り(
こちら)お願いして良い物か、大変悩みました。編集長と編集ご担当者の方と話し合って、ダメ元でもお願いしてみよう、と。そして私が長文ご依頼メールをお送りした所、ご快諾下さり、今回の撮影が実現しました。
撮影風景はこちら。被写体は私が幼い頃から家にあって、大事にしているテキスタイルの人形です。

というわけで、とても幸せに撮影の時を終えることができました。
大変だけど楽しみだな。
この本に関わって下さっている全ての方に、感謝の気持ちです。
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